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「試合と練習の関係」その2(反省会編)

 
ある程度練習を積み試合に参加すると、チームを強くするためのツールとして試合を利用し、練習に反映して行きます。その活用方法について3回に渡って書いています。

  1回目:試合当日編
  2回目:反省会
  3回目:反省会の工夫

今回は2回目「反省会編」です。
試合の翌週の日曜日に行っていた「ビデオ反省会」について書いて行きます。
試合翌週のビデオ反省会
「手探り監督」の私としては試合当日に適格な指導ができませんでした。
そこで導入したのが「ビデオ反省会」です。
試合当日ではどうしても目に付いたシーンだけで指導してしまいます。
ビデオを見ると冷静に何度も分析することができ、指導した点に誤りがあったりすることに気がつきます。

私の失敗例として、失点について試合直後のミーティングで「シュートを打たせないようにしっかりシューターをガードしろ」と指導しましたが、ビデオを見ると実はちゃんとガードしていて、足の隙間から抜けていただけでした。コート外でリアルに進む試合をちゃんと見れていなかったのです。
ガードをせずに失点したのか、ガードをしたけど抜けたのかではエライ違いです。
次のビデオ反省会では子供に率直に謝りました。
それ以来です。試合直後での指導に気を使うようになったのは。
ビデオ反省会の準備
試合は日曜日、ビデオ反省会は次の日曜日です。
ビデオ反省会で子供達に何を伝えるかは平日の作業となりました。
毎日、仕事から帰ると試合のビデオを見て反省会のためのプリントを作成しました。
(全試合とも10回は見ました)

試合のビデオを見て子供達に直してもらいたいことを伝えるためにプリントを作成したのは、子供には口頭で言っても聞き流されてしまい伝わらないと思ったからです。
プリントに掲載する次のポイントは常につぎのようにあげるように心がけました。
    良かったところ:2箇所
    直すべきところ:1箇所

これは反省会の目的は子供達の「ダメだし」の場ではなく、「もっと強くなるためのヒント」の場にしたかったからです。できたところをちゃんと監督は見ているよ。というアピールの場です。

プリントに掲載した具体的な内容は次のようなものです。
ビデオ反省会のプリント
○チームのデータ
戦績 対戦相手ごとの得失点、勝敗、今回の大会の順位。
累積の集計(このサイトの大会の記録やランキングの元になったアイデアです)
1試合あたりの平均得点数、失点数など。
ボール支配率 ボールがコートの自陣/相手陣のどちらにあるかの比率。
(実際の支配している時間ではありませんが...)
当時の指導として相手コートで試合をすすめることをひとつの指標にしていました。
個人別の集計 得点数、ファール数の個人別集計。

○チームの良かったところ直すべきところ。
良かったところ 「フォーメーションが良かった」、「ポジション取りができた」、など前回より進歩したところを書きます。
チームとしての力がついてきていることを具体的に実感させてあげます。
直すべきところ 「声を出そう」「ディフェンスの二人の連携を取ろう」、など次の試合に向けて取り組むべき課題を記述しチーム全体としての目標を提示しました。
そして練習の中に取り入れるようにしました。

○各自の良かったところ直すべきところ。
良かったところ 前の試合での課題ができているか?光るプレーはどれか?について記述します。以前のコラムでも書きましたが、成果が試合に現れにくいディフェンスに光を当てる場でもあります。
直すべきところ 個人技での直すべきところを中心に指摘します。
試合のときに失敗したと思うけど忘れていたことが、ビデオを見て、プリントに指摘されやっと次の練習につながって行きます。
ビデオを見て冷静に自分を見て、「あそこでバウンドボールを正確に打てていればあと1点入った」という意識が具体的に芽生えてきます。
そうなるとしめたもの。
あれだけ嫌だった「クソ連」も真剣に取り組むようになってきます。

○その他「マンオブザマッチ」
マンオブザマッチ 各試合で一番光っていた子供をひとりだけ選出します。
反省会の場ではその発表を行い、その後クラブでの練習時間で大人もいる中で表彰状をあげます。
内緒の話ですが、純粋に光る子供を選出する場合もあれば、モチベーションの低い子や、ちょっとがんばって欲しい子へのカンフル剤の意味をこめて選出する場合も多いです。同じ子供には極力2回あげないとか裏ルールを決めていました。

これらの内容をA5サイズの用紙1枚に盛り込みました。
この反省会のプリントは子供達に対する通信簿という意味だけではなく、監督がちゃんとみているかの監督自身の通信簿にもなっているのです。
チームや個人のどこを伸ばし、どこを修正するのかを決める監督の一番大事な仕事と言ってよいでしょう。
ビデオとプリント
試合のビデオは全員で全試合を各1回づつ見ます。
5試合程度あると、それだけで1時間はビデオを見ることになるので子供の集中力は持続できません。
そこで事前に次のものをピックアップしておきます。
ポイントになる
シーン
シュートが決まったシーン、失点の原因、危険なプレー、最高にうまいプレーなど、本来のビデオ反省会で見てもらいたいシーンです。
おかしいシーン ボールが審判に当たった、コケた、ボールが無い時にコート上で踊っている。など笑えるシーンです。
これが息抜きになります。

これらのシーンは何度か繰り返して見てビデオを見ることが苦痛にならないように工夫します。

ビデオを見たあとは先のプリントを全員で読み合わせします。
チームの記述は順番に人を変えて、各自の記述は自分自身で読ませます。
こうすることで1回はその子に意識させることができるわけです。
プリントは厚紙で作ったファイルに綴じさせ親御さんにも見てもらうようにしました。
(が、綴じられずに体育館に置き去りにされているプリントを見て悲しい気持ちになることも...)
次回予告 「試合と練習の関係 その3:反省会の工夫」について
  監督としては一番気をつけたビデオ反省会ですが、それもマンネリになって子供達の参加意欲が減ることのないように工夫しました。

その対策は...
次回までのお楽しみです。

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  2010/11/14